技術解説執筆者 インタビュー

副社長 川村貞夫

ロボット研究のはじまり

 

生物とロボットに共通する運動原理があるのではないか?との考えが基本にありました。人を含む生物の柔らかい運動、環境に対して適応的な運動、エネルギー消費の少ない運動などには、どのような秘密があるのか?そのような運動の原理を、ロボットで実現することは可能であろうか?自分が巧な運動を学習するように、ロボットが運動を獲得することは可能か?このような問いから、研究者への道を選びました。

この問題は、私が大学院の学生当時から現在に至るまでの大きな科学的問題として存在しています。解明の糸口は、少しずつ得られているように思えます。知的興味から開始されたこのような研究も、次世代の産業用ロボット開発など実用的な成果も得られると考えています。

現在の研究テーマ

 

多関節・多自由度のロボットの運動科学とその応用を研究テーマとしています。機構、情報処理、制御理論等を基盤にロボットシステム統合の技術と科学の創造を目標としています。

現在の具体的な研究テーマは以下です.

  • 水中ロボット

考古学調査、ダム保守点検、各種水中ハンドリングを達成する小型水中ロボットを開発し、琵琶湖や海での実験を行っています。

  • ソフトロボットシステム

高分子材料を利用した軽量柔軟なロボットの設計、製作、制御法を開発しています。

  • 次世代製造業ロボット

キャリブレーション不要のビジュアルフィードバック、柔軟関節構造、機構的重力補償、共振現象に基づく省エネルギー制御などを研究しています。

ロボット研究 ニーズ駆動の基礎研究

 

ロボット研究のはじまりは、ニーズは強く意識せず、シーズ駆動であったと思います。一方、ロボットに寄せられる社会の様々な課題を深く分析すると、ロボティクスの基礎科学と呼べる内容が多く含まれているとことに気が付きます。すなわち、ニーズ駆動の基礎研究となります。

企業などからの具体的な課題を、可能な限り普遍性の高い問題として作り上げることが重要となります。ニーズ駆動の基礎研究として良い問題を生み出せば、産と学の本質的な連携が実現できると思います。最近は、このような立場で、ロボットの研究活動を続けています。

川村貞夫 | Sadao Kawamura
チトセロボティクス取締役副社長
立命館大学教授
立命館大学ロボティクス研究センター長

技術解説

技術解説1 「システムインテグレーション」

<解説の見出し>

  1. システムインテグレーションによって成否が変わる
  2. 自然科学は分析的
  3. 人工物創造にはシステムインテグレーション
  4. ロボットにはシステムインテグレーションが必要
  5. ロボットシステムインテグレーション技術

技術解説2 「ALGoZaでロボットを動かす」

<解説の見出し>

  1. 理想と現実
  2. ロボットの内界センサと外界センサ
  3. キャリブレーションという問題
  4. ビジュアルフィードバックALGoZaの開発
  5. 針の穴の糸通し
  6. システムインテグレーション

技術解説3 「ALGoZaの発想」

<解説の見出し>

  1. 位置指令と力指令
  2. 逆変換からの関節角座標系制御
  3. 転置ヤコビ行列制御
  4. 近似ヤコビ転置行列制御
  5. 科学研究費特定研究「移動知」