本プレスリリースURL
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000022.000040625.html
産業用ロボットの導入容易性と優れた性能の両立を目指す着実な進展
株式会社チトセロボティクス(本社:東京都文京区、代表取締役社長:西田亮介、以下「当社」)は、生成AIを活用した産業用ロボットの動作指示システムにおいて、必要な機能を限定してAIで担うという設計思想により、精度と処理速度の両立を確認できる実証段階に達しました。
この研究成果について、第43回日本ロボット学会学術講演会で発表を行います。
■背景と開発動機
前回プレスリリースでは、LLM/VLMを活用した「日本語と画像による自然言語動作指示システム」の研究開始をお知らせしました。
【生成AI×産業用ロボット】言葉と画像でロボットに指示する「自然言語動作指示システム」の研究を開始(2025年6月17日 11時00分)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000021.000040625.html
プログラミング不要という点から、大きな期待を寄せていただきましたが、一方で「完全なAI依存」には信頼性や導入のハードルという課題も存在します。
これを踏まえ、当社は必要最小限のAI活用にとどめ、使うべき場面で効果的に機能を分担させるという新たなアプローチを模索しました。
■研究の革新ポイント
本研究では、システム設計を「作業認識」「身体認識」「環境認識」という3要素に分割し、それぞれを目的特化型の生成AIで限定的に適用する手法を開発しました。これにより、産業現場で求められる安定した性能と応答速度を確保しつつ、AI導入に伴う負担の軽減にもつながる設計フレームを実現しています。
実証結果の要点
- 10種類以上のワークを対象にしたピックアンドプレイス動作生成実験において、精度と速度の両方で実用水準を満たす成果を確認しました。
- AIモデルの更新(ChatGPT‑4 → ChatGPT‑5)によって、処理速度・安定性がさらに向上する傾向を確認し、将来の拡張性にも期待が持てる結果となりました。
■学会概要
学会名:第43回日本ロボット学会学術講演会
<一般講演>
発表日程:2025年9月5日(金)14:15~14:30
会場:東京科学大学 大岡山キャンパス D室(M‑B43)
発表タイトル:「LLM/VLMを用いた産業用ロボットの動作指示システムの対象物の違いによる性能の確認」
発表者:西田亮介(当社社長)
<ランチョンセミナー>
発表日程:2025年9月4日(木)12:45~12:55
会場:東京科学大学 大岡山キャンパス O-c室 西講義棟1( WL1-401)
講演タイトル:「労働力不足問題解決のための当社の取り組み~共創者を求む!~」
発表者:川村貞夫(当社副社長)
■今後の展開と意義
当社としては、「目的特化かつ最小限のAI利用」という現場に即した設計思想が、産業現場でのロボット導入を着実に前進させる要素になると考えております。今後もこのアプローチをもとに、さらに高度な動作対応や応用ワークの拡大に取り組んでまいります。
